2007年10月19日

タウ・ゼロ【読了・おすすめ!】

タウ・ゼロ
ポール・アンダースン(東京創元社)


50人の男女を乗せ、32光年彼方のおとめ座ベータ星第三惑星をめざして飛びたった恒星船。だが不測の事態が発生する。生まれたばかりの小星雲と衝突し、その衝撃でバサード・エンジンの減速システムが破壊されたのだ。亜光速の船を止めることもできず、彼らはもはや大宇宙を果てしなく飛び続けるしかないのだろうか…?現代SF史上に一時代を画したハードSFの金字塔登場。


というわけで、文庫が出てから15年というタイムラグ。遅いよ>自分

バサード・ラムジェットというと、ラリイ・ニーヴンのノウンスペースもので初期の航宙手段(地球からの贈り物、など)として重宝されていたテクノロジーですが、この「タウ・ゼロ」、ニーヴンの「リングワールド」と同じ1970年の作品なんですね。

前半が非常にゆるいので、あやうく投げそうになったけど、読み終えてみると「ああ、もっと早く読んでおきたかった」としか。

「減速できないラムシップ」というある意味でシンプルな舞台、タイトルの「タウ・ゼロ」の意味、相対論的な時間の流れ・・・

まだの人はぜひ。

本作は、筆力というか密度も凄い。

今の宇宙論からするとおかしいところもあるというのですが、そんなことはあまり気にせず、壮大なスケールを楽しみましょう。

以下、軽いネタバレあり。スキマ空け。


















減速できないラムシップで宇宙を飛び続けるというストーリーで、しかもその減速システム破損以外には「偶発事故」がまったくおきない。居住システムのエア漏れだの、コンピュータの計算ミスだの、無重力作業中にだれかがヘマするだの、そういう小手先の盛り上げをいっさいしない。ひたすら緊張と絶望と苦渋の選択だけでストーリーを引っ張っている。これはすごい。
posted by へろ at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書
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